常磐津「松島」
作詞は河竹黙阿弥、作曲は六世岸澤式佐。不仲だった常磐津宗家との和解を機に、岸澤が明治17年に作った曲で、景勝地として名高い松島を題材にしたといわれています。松島の四季の美しさが伝わるもので、御祝儀物の浄瑠璃として語られる。
常磐津とは?
「常磐津節」の略で、浄瑠璃の一種。歌詞の内容(物語)に忠実に音楽を奏でる「語り物」で、誕生した室町時代には琵琶や扇拍子で語られましたが、江戸時代になると三味線や人形によって語られるようになり、さらに演じる人によって様々な流派が生まれました。常磐津節は「豊後節」の分派として初代常磐津文字太夫が始めたもので、唄と語りのバランスが良く、庶民的な話題を盛り込んでいる点が特徴。また、江戸時代の元禄頃に誕生して主流となった「義太夫節」に近い反面、それ以前の「古浄瑠璃」とよばれる曲風の名残も兼ね備えています。主に江戸歌舞伎の舞台劇の伴奏音楽として、現在まで広く行われています。




